見渡す限りの平坦な畑地とその先に広がる海を見るために、晴天の日は夜明け前から出かける。
この日もいつものように三脚を立てカメラを乗せ、水辺線を見ていたら斜め上から音が聞こえた。
「ミシミシミシ・・・ガガガガ・・・」
何かおっきな物体が動くか倒れてきそうな音だ。
一瞬考えたのは「ゴジラ」が歩いてくる姿。
んなわけないので、怖怖とアタマの上を見たら瑠璃色の空に風車が回っていた。
ついさっきまであっちを向いていたのに、今は私の方を向いてグルングルンと回っている。
普段は回らず止まっていることが多いので気に留めていなかった。
静かな早朝なのでわずかな音でもよく聞こえるのだ。
「風車の音か」とひとりつぶやく夜明け前でした。